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長い…長い病院生活 第11部 ~愛馬~
2006年8月中旬。天候快晴続き。

2度目の手術後は発熱も無く。
順調に…暇。

ベッドの上はこの上なく退屈で、時間を掛けゆっくりと読んでいたハードカバーの『ダ・ビンチ コード』も読み終えてしまい尚の事暇…。
ただ『ダ・ビンチ コード』は最高に面白くベストセラーになるだけある。この小説の中身が映画でどこまで表現されているのか今から楽しみ♪
ちなみに次に読もうと思っているのは『ダ・ビンチ コード』の前作『天使と悪魔』。
同じく主人公はロバート・ラングドン。こちらも『ダ・ビンチ コード』のおかげでベストセラーになっているみたい。
楽しみだ♪

そしてある日何やら用事があるらしく親父が見舞いに来る事に。
ついでに小説を買って来て貰おうとしよう。
親父は警察に預かられている私のサイフ等を取りに行くようだ。
そこにはiPodやデジカメもあるので親父に、
「悪いんやけど事故からずっと預けられてるバイクの写真撮って来てくれんかなあ。どんな状況か確認したい」
と頼むとどうやら愛馬・Mr.FATBOYは事故現場から一番近いディーラーにあるようで、しかも有り難い事に親父はそこまで行き写真を撮って来てくれた。
長い…長い病院生活   第11部   ~愛馬~_c0090952_21121142.jpg
…正直見ない方が良かったとは思うも何故か見て少しだけ安心した。
しかしここからが大変…。
何分ずっとベッドの上で動けないのでする事は考える事ぐらい…。
「(タンクから後ろはそんなに損傷ないみたいやな…)」
「(…ハンドル折れてるやん)」
「(フロントフォークもガタガタ…)」
「(…)」
「(…フレーム)」
「(…フレーム大丈夫かな…?)」
…といろいろな不安が頭に過る。

すると後日、相手方の保険屋が訪れた…。
いろいろ話を聞くと愛馬はなんと全損扱い。そしてその数字を見せて貰ったところ、ほぼ新車価格同様…。
私は暫し絶句…。そして頭の中では…、
「(全損? 治らんって事? 全損って何?)」
「(まだ半年しか経ってへんねんで?)」
「(修理費が新車価格同様?)」
「(まだローンもあんねんぞ?)」
「(新車価格同様ってことはフレームが逝ってるん?)」
「(…)」
「(…へ?)」
…と完全に混乱状態。
詳しく聞いてみると、全損とは修理が出来ない事ではないらしい。よくよく考えればそれは廃車って言葉になる。完全にパニック…。
そして今回の事故は十中八九相手が悪いので修理費は相手方の保険屋が支払うのだが、その額は過失割合によって決まる…。
聞くと私が停車状態で相手が後ろからの追突でも無い限りほぼ0:10の割合にはならないらしい…。
…と言う事は少なくともこちらは[新車価格×1/10×n]の20万以上は払わなくてはいけない。

金銭面も大事だが何より苦労して頑張って20歳の記念に手に入れた夢のFATBOY…。
一生に最初で最後のつもりで手に入れたのに…。
この私自身の中での価値は一体どうなるの?

もちろん損失はそれだけじゃない…。
体の事も含め(ちなみに入院費用は全額相手負担)いろいろとある…。
これは相手さんとトコトン話し合わなくてはいけない…。
下手すれば出るとこ出ての話し合い…。
それは体が完治してからの話だけれど…。

今日の航路:なし
今日の走行距離:0km
# by mr_bigman | 2006-11-22 21:47 | Mr.FATBOY's
長い…長い病院生活 第10部 ~手術 2~
2006年8月上旬。天候、晴れ。

夏ど真ん中。窓の外では照りつける太陽が。
まあクーラーの効く病室の中ではその効果は皆無ですが。

しかしやはり湿気が高いのかジワジワ汗が…。
困るのがこの体。
まだ傷が不安定なので事故後2ヶ月間1度も風呂に入っていない…。
幸い凄く熱いおしぼりで体を拭く事で何とか清潔さを保ってはいるものの、さすがに傷の近くの部分は強く擦れず軽く拭いただけで真っ黒…。
1回目の手術後それなりに伸びた髪は週に2度洗って貰うのだが3日も経つと痒くて仕方が無い。
その分洗って貰う時には凄く気持ちがいいのだけど。

そしてやっと体を洗える日が。
しかし入浴は厳禁!
いくら綺麗な浴槽に綺麗なお湯を張っても細菌はいるのだとか。
よって常に流れているシャワーのみで頭・体を洗わなくてはならない。
問題は浴びる時ではなく、浴びる前の包帯やら何やら外す時…。
包帯を外しガーゼ・ソフラチュールを剥がす時には一緒に出来立ての瘡蓋も剥がれてしまうのでどす黒い血がポタポタ…。
しかも地味に痛い…。
初めの頃はビビって自分では剥がせず助手さんに剥がして貰ってました。

シャワーを浴びるともう気持ち良くって最高〜♪
しかし2ヶ月間体にこびり付く垢は多く泡立たない上にタオルは瞬時に真っ黒…。
これは1回2回で取れる様な状態じゃなく、ある程度洗い終いにしました。
でもやっぱり気持ちいい〜♪
処置の後には必ず激痛による汗を流していたので、このサッパリ感は2ヶ月振り♪

そして4日にとうとう2回目の手術が…。
前日からの断食に加え浣腸、剃毛(今回は大分体が動くので自分でしました。)、筋肉注射(…!!! っなんでこんなに痛いの!? って思いは前回と変わらず…)、等の準備を終え手術室へ。

1ヶ月前程緊張はしておらず(…と言っても前回も指して緊張はしていなかったが)、だがやはりあの独特な匂いは脳裏にこびり付いていた…。
天井のライト群、マスクの人達。
少しドキドキしていると1つのマスクが、
「…君、バイクで事故った子だよね?」
「…?? は、はい」
「覚えてる覚えてる。確かハーレーでしょ?」
「はい」
「久し振りだね〜。前の手術からもう1ヶ月か。あの時は君凄く大きかったから5人掛りで運んだの覚えてるよ〜。でも少し痩せたんじゃない? 脚とか細くなってる」
「この1ヶ月ろくに脚動かしてませんからね。もうほとんど筋肉落ちてますよ」
「そうか。今日は膝裏の皮膚移植だからね。歩く事前提の手術だから。頑張ってね!」
「よろしくお願いします」
そして前回同様麻酔の管が背中から入ってくる。
前の時程痛く無くすんなりと準備終了。
口にマスクを被せられ酸素と一緒に睡眠薬が流れてくる。
目を閉じる瞬間に頭上の無数のライトが煌々と光り、意識を失った…。

…。
目を覚ますと病室で、前回よりは頭が冴えていた。
無事に手術自体は終わった様だ。
安心しまた眠りに着いた。

次の日、先生が来て、
「手術は成功したよ。ただ皮膚のくっ付き具合は2週間程立たないとなんとも言えない。だからそれまでは絶対安静ね。リハビリはもちろん立つのもダメ。包帯もしばらくはこのままだから」
との事。

「またまた気が遠くなる程の『暇』が訪れるのか…。誰かに映画館で観れなかった『ダ・ビンチ コード』の小説買って来て貰おうかな…」

今日の航路:なし
今日の走行距離:0km
# by mr_bigman | 2006-11-19 20:44 | Mr.BIGMAN's
長い…長い病院生活 第9部 ~リハビリ~
2006年7月下旬。天候様々。

この暑い夏をまったく感じずまま病室で8月を迎えようとしている。

しかし退屈な時間を過ぎしつつも、とうとうリハビリが始まる。これで少しは暇を潰せる。
リハビリ室に向かい担当の先生に体の具合を見てもらう。
この1ヶ月1度も右脚を地に着けてはいない。そのせいか両足で立てない。

詳しく言えば右脚の筋肉が衰え体重が支えきれない。
しかも右脚を地に下ろすだけで酷く鬱血(静脈血の流れが妨げられて臓器や組織に血液が滞っている状態)する。
どうやら事故による右脚全体の血管の損傷、加え1ヶ月もの間ベッドに横たわり右脚を心臓と同じ高さにしていた為に血を送り出すポンプ作用が衰えてしまったらしい。
この鬱血が酷く右脚全体が赤く充血し、傷口からは血が滲み出る。
対策は通常通りに脚を地に着け歩く事で筋肉が発達し血管が血を送り出すようになるらしい。

兎に角訓練。…と言いたいが膝はろくに曲がらず、足首も0°にも満たない(普通に立っている状態を0°として)。
まずはリハビリではなくマッサージの様に膝・足首のツボを押す。
そして痛みがない程度まで曲げれるところまで曲げる。
これを毎日地道に行っていく。

そして病室に帰ると診察の時間。
何やら今日は薄皮が地の皮膚と同化してきたので不要になった皮膚を繋げるホッチキスの様な金具を外すのだとか…。
幸い出来立ての皮膚には神経が通ってはなく感覚は無い、もちろん痛みも。
しかし少しでも神経が通っている部分に関しては話は別…。
例えやすく言うと糸切りバサミで肉を摘まみ上げチョコンと切る感じ(ほぼそうしてるんだけど…)。
激痛は走り、歯を食いしばり、全身に力が入る。
一体いつになったらこの苦しみから抜け出せるのか…。

処置が終わり先生が、
「来月の8月4日に手術をしようと思う。前回は死んだ肉を切除する手術だったけど、今回は脚の機能を維持する為の手術を」

説明では人間の膝裏はゴムの様に伸び縮みし柔らかい。
しかし火傷によりケロイド状になった膝裏は固く固まり、いずれは膝が曲がったまま動かせなくなるらしい。
そこでお腹の下・脚の付け根に当たる皮膚も膝裏同様に適した皮膚であるので、そこの皮膚を移植する計画だとか。
方法は約20cm腹の下・脚の付け根を切りそこにある脂肪を除いた真皮を取り出し膝裏に移植。

そしてついでに真皮を取り出した下に見える皮膚と筋肉の境界線に当たる筋膜を切り骨の見える脛に貼付ける。
通常骨の上には皮を張っても成長しないため意味がないのをそうする事で皮膚が成長し皮が張る。
しかしこの方法は新技術で成功率は50%…。
もう1つ方法はあるのだが…。

もう1つの方法はと言うと、人間の脹脛には比目魚筋を含め3本の筋肉がある。
その内1本を失っても人間は立つ事が出来、歩く事が出来生活に支障は無い。訓練次第では走る事も出来る。現にそんなマラソンランナーがいるらしい。
そこで筋肉1本を切り離し骨の見える脛を覆いかぶす。
後は筋肉と皮膚の同化を待つ。
もちろん切り取った部分の筋肉は再生しない。
こちらは成功率は80%。ほぼ成功するんだとか。
しかしリスクが大きすぎる…。術後の経過で同化してくれればいいが失敗すれば筋肉1本を無駄にする事に…。
そもそも支障は無いかもしれないが、3つ持って生まれて来た物を2つにはしたくはない…。

結論は最初の成功率50%の方法…。
こちらは成功率は低いものの事のついでにするのでリスクも少ない。
元々今回は膝裏がメインであり失敗すればそのまま、成功すれば万々歳である。

さて2回目の手術…。
1回目の手術の様々な苦痛を思い出し憂鬱に…。
こればかりは神に祈るしかない…。

今日の航路:なし
今日の走行距離:0km
# by mr_bigman | 2006-11-16 23:37 | Mr.BIGMAN's
長い…長い病院生活 第8部 ~念~
2006年7月中旬。天候は湿気の多い晴れが多。

入院して1ヶ月が経った…。

この日手術後初めて我が右脚を見た…。
太腿の部分は黒い死んだ細胞は無く、赤々とした綺麗な肉が広がってます。
所々脂肪らしき白いのが点々と見え、まるで霜降り肉の様(良く考えたらコレも一種の霜降り肉ですよね?)に見える…。
全体的にグジュグジュとした状態で切除した肉の上には他の部分から剥ぎ取った薄皮が張られており、薄皮と肉で自然に丈夫な分厚皮に成っていくらしいです。
しかしその薄皮と肉を繋ぎ止める為に無数のホッチキスの様な金具で止められていました…。
いつかこの金具を取る時が来るのでしょう…。きっとまた歯を食いしばる羽目に…。
そして脛の部分には白と赤のコントラストで、真っ赤な肉に包まれた白い骨が…。
骨は実際は真っ白ではなく、ほんの少し黄色かかった白。これはカルシウムがある証拠なんだとか。
骨の見える部分は約3㎠…。
先生が骨の表面の異物を取る際に骨に当たると、まさに骨が削られる気分…。全身の骨を伝いその微弱な振動を感じる…。
「(タダで人体の不思議展見たって感じやな〜)」
などと関心・驚嘆の目で自分の体を見回しました。

そしてある日事故を起こした張本人が謝罪に病室を訪れました。
幸い手術後からは相部屋ではなく個室だったので色々話を聞こうと思えば聞けたのですが色々な念が頭を巡りろくに話さず帰ってもらいました。
「(事故は故意に起こしたもんじゃない。仕方が無い事や)」
「(この右脚どないしてくれんねん!?)」
「(幸い頭・脊髄には損傷は無い)」
「(なんで雨の日に2tトラックがスピンする程のハンドル操作をしたんや!?)」
「(リハビリ次第でほぼ元に戻ると医者が言ってた)」
「(後遺症残ったらどないすんねん!?)」
「(1回目の手術は上手くいったみたいです)」
「(勉強・仕事はどうしたらええねん!?)」
「(愛馬どないしてくれんねん!?)」
「(20歳の記念に買った生涯最初で最後のつもりで買ったハーレーやぞ!?)」
「(結果乗る事を許してくれた親にはどうしたらまた許可が下りんねん!?)」
「(愛馬は今どうなってんねん!?)」
「(俺はまた跨がる事が出来るんか!?)」
「(デカイ頑丈な体をどうしてくれんねん!?)」
「(この20歳の時間どぉしてくれん!?)」
「(最悪俺はここにおらんかったかもしらん!?)」
…と表しきれない程色々頭に浮かびました。
今相手に聞いたところで相手は答えれんでしょう…。
それにケンカを売るにはまだ早い…。体がもっと回復しないと…。
そして…何より寝たきりの今の状態で色々な事を考えると神経がおかしくなる…。

事故後、今まで出来るだけこの事については考えない様にしてきました…。
体が動かない分、頭は回る…。
そして時間は嫌と言う程ある…。
考え始めると切りがなく、そして考える事はどうしても嫌な事になってしまう…。
その嫌な事を頭から閉め出す為にストレスを発散しようにも体は動いてはくれない…。
体の中で血液と一緒にストレスが渦巻くのは分かっていました…。
だから今まで考えてこなかった…。
だから今まで気を落ち着ける事が出来ていた…。

しかしあの人が現れてからはイライラが募りはじめた…。
まだ罵声も手も上げてはいない…。
しかし体が正常であれば我慢はしていないだろう…。

しかしまだ死んだ訳ではない…。
この念を後の原動力にし体を回復させ…。
また夢を追う…。
愛馬に跨がる…。
「死ぬまでは諦めへん!! 必ずまたMr.FATBOYに!!!」

今日の航路:なし
今日の走行距離:0km
# by mr_bigman | 2006-11-13 21:53 | Mr.BIGMAN's
長い…長い病院生活 第7部 ~カテーテル~
2006年7月上旬。天候、雨・曇り多。

高熱も下がり1週間程安静にしている。
今までトイレの大以外はベッドの上。体を起こすのも自動ベッドを使わないといけないし、車椅子に移るのも独りじゃ出来ない状態…。

処置は相変わらず激痛の地獄が続く…。
まだ手術後の傷は見てません…。恐くて…。
だって処置の時下に引くシートが血だらけなんですよ…。
見るにはまだまだ時間は必要です。
傷自体は先生曰く、心配ない状態みたいです。
未だ脛の白い骨は見えているんですが…。

そして体調が安定してきだしやっと点滴・カテーテルを外す事に。
ちなみにカテーテルとは尿道に管を通して自動的に尿を出す物です。
このカテーテルってのが厄介で通常時はいいんですが…。
何分若い為、朝はどうしても元気になる訳ですよ…(すいません下ネタで…)。
その時は激痛で起きてしまうぐらいの衝撃!!
男なら絶対に涙するでしょう…。それがやっと抜けるのですからこれまた涙物です。
しかしこれまた抜く時も激痛が…。
これは言葉で表せる様な痛みじゃありません。知る人ぞ知る痛みです…。
でも想像してみて下さい。尿道にストローを刺す事を…。
…。
分かるでしょ? 男性・女性関係ないですよ…。

今日の航路:なし
今日の走行距離:0km
# by mr_bigman | 2006-11-10 22:52 | Mr.BIGMAN's



Mr.BIGMAN(私)とMr.FATBOY(愛馬 HARLEY- DAVIDSON 2006 FLSTF)の旅日記。 …その他諸々。 めざせ!地球一周!!

by Mr_BIGMAN
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自己紹介
大阪生まれの浪速人!!
夢のハーレーを手に入れて人生最高潮♪
自己紹介はこちらへ〜。

今は過去を振り返り執筆中です。
いろいろあったもので…。
いずれブログ名の『(仮)』が消えたらいいな〜。

気軽にコメント頂けると嬉しいです!
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